澤田瞳子さんの作品は好きで殆ど読んでいるでしょうか。
もう大好き!大ファンといっていいでしょう。
どの作品も感動とともに印象深くのこっていますが、特に仏師「定朝」を
主人公にした「満つる月の如し」は、いまでも思い出すとじ~んと胸が
熱くなってきます。どの作品からも感じられる作風の清冽さのようなものが
私の好みにあっていて作品に惹かれるのかもしれません。
その澤田瞳子さんの講演があるという。早速応募して出かけてきました。
唯々澤田瞳子さんを一目みたいというミーハー的な単純な理由でしたが・・・・
講演は面白かったです。いままできいたこともない私には新鮮なお話でした。
我が国で最初に出家したという「善信尼」という尼僧のお話です。
日本に仏教が伝来した当初、仏法の正式な修行者として3人の女性が選ばれた。
この3人の女性は、やがて留学生として百済へ渡り、さらに修行して受戒を得て
2年後に帰国、仏教寺院で多くの人を出家に導いた・・・・
日本の仏教の礎になったのが、「女性」であったということに、これはもう
私には驚愕的なこと、本当に驚きでした。
飛鳥時代、「日本書紀」の記録では、当時、寺46所、僧816人、尼569人、
計1385人の僧尼がいたという。
仏教の興隆期に寺が建てられ多くの僧がいたことは想像できることでしたが、
尼僧が「
569人」もいたとは思ってもみないことでした。
仏教といういわば「知的集団」、何となく男性優位と思われがちなのですが、
決してそうではなかったのですね。
澤田瞳子さんのお話は弁舌爽やか、時に笑わせて、作品から感じられる清冽さなど、
そのままのお人柄も見受けれるようで素晴らしいものでした。
最初の講演、清水昭博氏(帝塚山大学教授)のお話、出土した瓦からの考古学
アプローチもわかりやすく面白かったです。
いまから1400年の昔となる飛鳥時代は、女性が大いに活躍し、
輝いた時代でありました。女帝が次々と誕生し、女性ならではの
感性で政治を行いました。また宗教や文学においても、女性たちの
躍進ぶりには目を見張るものがあります。日本が国家として歩み
はじめたとき、なぜ彼女たちが時代を力強く牽引したのでしょうか。
その答えは、きっと飛鳥にあり、日本の女子力の原点があるはずです。
パンフレットにあった文章を最後に載せておきます。