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読書のことなど

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何とはなしに日が過ぎて、もう11月・・・・・
それで特に慌てているわけでもないけれど、「何してる?」といった声が
自分の裡から聞こえてくるようです。
「光陰矢の如し」「歳月は人を待たず」「時は金なり」などそんな言葉がわけもなく浮かんでくる。もう人生の持ち時間は少ない筈なのだから、たった今の一日一日が大事なのに・・・・

相変わらず本だけはせっせと読んでいます。
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澤田瞳子の「満つる月の如し」は感動の1冊でした。
表記にあるように平安時代の仏師定朝の物語ですが、「序章」から始まり、
「第一章から第四章」まで、そして「終章」に到る流れが劇的な構成になっています。


定朝といえば、あの宇治平等院の「阿弥陀如来座像」を作った仏師です。
その定朝の若き日から遂に阿弥陀如来像を完成させるまで、幾多の出会いがあり、
あるいは別れがあり、騒動があり・・・・とドラマチックに展開する。
なかでも、比叡山の僧侶との出会いと別れが、切々とした余情となって全編に流れ、
格調の高い物語になっています。
「満つる月の如し」とは、定朝の仏像を讃えた言葉ですが、私には、作品自体もまた
そのように想えて、実際、1冊の本から月の光が射してくるかのような印象になりました。

もうずい分前に買った本でした。
単行本なので持ち歩くこともないまま読まないままにいつしか本箱に収まってしまい、
すっかり忘れていました。「宝の持ち腐れ」だったかと、自分でも苦笑いでした。
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少し前の写真になりますが・・・・
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by suirenn2 | 2015-11-03 11:19


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