「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」
「平家物語」冒頭の一文でもお馴染の沙羅双樹は「仏教の三聖木」の一つと言われています。
お釈迦さまがご入滅の時に周りにあった4本の木で、お亡くなりになると同時に真っ白に
枯れたとか・・・・。日本では「夏椿」が沙羅双樹と言われているようですが、本当は
まったく別種の木だそうで、私は長いこと、どんな木なのか興味深く思っていました。
その興味津々の沙羅双樹を、新宿御苑の温室で見ることができました。
寒さに弱いようで、日本ではよほど暖かいところか温室でないと育たないようです。
混んでいてゆっくり鑑賞もできず葉を眺めただけでしたが、とても爽やかな印象でした。
ちなみに「三聖木」のあと二つは、「無憂樹=ムユウジュ」と「インド菩提樹」。
お釈迦さまが菩提樹の下で悟りをひらかれたという菩提樹は「インド菩提樹」で、
これも一般に思われている菩提樹とは別種の木だそうです。
この「インド菩提樹」も温室で見ることができました。
「無憂樹」もあったのかどうか?見落としていたかもしれません。
無憂樹はお釈迦様の誕生にまつわる木で、お母さんのマーヤー夫人がお産で里帰りの途中、
きれいなアショーカの花が咲いていたので手折ろうとしたら、その時お生まれになったと
伝えられています。アショーカの花を訳して無憂華、その木が無憂樹です。
「ただの葉っぱじゃないの」と思われるかもしれませんが、私には神々しく見えたのですよ。
何だか胸がドキドキして、手を合わせたいような気持でした。
他に温室で咲いていた花々です。