「品川寺」、「ほんせんじ」と読みます。
お寺の詳しい歴史は私は知りませんが、江戸六地蔵の一つに数えられる青銅製の
地蔵菩薩像を安置する古刹で、門前の3メートル近くもあるそのお地蔵様は有名です。
江戸時代、ここで手を合わせて道中の安全を祈り、旅に出るのが慣わしだったとか・・・・。
この品川寺で火渡りの行があるので行ってみました。
境内はそんなに広くもないのですが、前庭の一角が既に仕切られて準備が出来ていました。
中央前方に祭壇が設けられ、杉の葉で覆われた護摩を焚く場所も・・・・・・。
後ろの隅の方ではしきりに薪をくべて、鉄釜で湯を沸かしていました。
(尚、写真は自分の覚書のつもりで並べていきますので、適当にご覧になってください)
やがて、開始の時刻になって法螺貝を立て(吹き)ながら行者さんの一行がみえます。
入場については「問答」があって、「行のためにまいりました」「どうぞお入りくだい」といった
意味の言葉が交わされます。
そして、大導師さまを先頭に大勢の行者さん達が入ってこられます。
大導師は「大本山醍醐寺の大僧正」との紹介がありました。
この後、ご本尊へお参りする儀式があり、それに続いて・・・・・・
「斧」と「剣」と「弓矢」を使った儀式で、それぞれで壇上や道場内外の魔を祓い、結界を祈念する。
要するに、行をおこなう神聖な場所を祈念するということでしょうか。
この結界祈念が終わると、導師が柴灯護摩の請願成就を祈念し、いよいよ護摩火が焚かれる。
焚く場所を水で清めてご本尊さまをご降臨、祭壇の灯明からとった火で点火です。
そして、参詣者がお願いした護摩木が焚かれていきます。
熱い、熱い、風に煽られ少し火の粉も飛んでくる、私は最前列にいたので我慢するのがやっとでした。
それでも手を合わせ、読経の声に耳を傾けながら何か祈る気持ちでした。
こういう場面では自然にそうなるのですね。
これからいよいよ火渡りが始まるのですが、その前に導師さまの儀式がありました。
釜の熱湯を何十回となく浴びるのです、これには「うぉ~」と皆どよめきました。
そして、この儀式のあと、この導師さまが先ず火渡りをして、続いて行者さん達が次々と渡ります。
行者さん達が終わったところで、清めの塩が置かれて、次は一般参詣者です。
渡りやすいように、火傷などしないように、火加減も整えてくれます。
私も渡ってきましたが、熱いことはありませんでした。
渡る前に湯を浴びた導師さまが背中に手を当て「えい!」と気合いを入れてくれます。
火渡り荒行、初めての体験でしたが、もの凄い迫力でした。
しかも、ただ見物のつもりが厳粛な気持ちになってくる、邪気など吹っ飛んでしまう。
私にはとても貴重な体験になりました。
門前は長蛇の列で大勢の人が順番を待っていました。