2012年 02月 07日 ( 1 )

青葉の笛

「祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響あり。沙羅雙樹の花の色、盛者必滅のことはりをあらはす」
「平家物語」のこの冒頭の文章に初めて接したのは、中学に入って間もない頃だったでしょうか。
学校の図書室で何気なく手にとってぱらぱらっと眺めた古典の本でした。

「あ~、京都の祇園の方でお寺の鐘が鳴っているのか・・・・」
京都へはまだ行ったこともなかったけれど、そんな光景が頭に浮かんだものでした。
それだけに後になって、「祇園精舎」が何であるかの意味がわかったときには、
誰が見ているわかでもないけれど、顔から火が出るほど恥かしい思いをしたのを覚えています。
こんなことがあって「平家物語」は私には思い入れのある古典になりました。

その「平家物語」を本箱から取り出してきて最近また適当に読んでいます。
全編などとても読む気にはなれないので、好きな場面だけの拾い読み・・・・・
好きな場面はいくつもありますが、一番のお気に入りは「敦盛最期」の場面になるでしょうか。
「平敦盛」が源氏の武将「熊谷次郎直実」によって討ちとられる場面です。
討ちとろうとして刀を振り上げたものの、あまりの美しさ、しかも自分の子どもと同じ年頃と
思える若武者で、直実は刀を振りおろすことができない・・・・・。

結局、討たれてはしまうのですが、亡骸から笛をみつける。
「あ~、可哀想に、夜明けに聞こえていたのはこの人が吹く笛の音だったのか」と直実は涙・・・
この時、敦盛が持っていた笛は、元々は祖父が「鳥羽院」から給わったもので、
敦盛が笛の名手なので相伝された「小枝の笛」という由緒ある笛だった・・・・・

多分「敦盛最期」のこの場面は昔から名場面として読み継がれたのでしょう。
「青葉の笛」という歌にもなって、尋常小学校の唱歌にもなっていたようです。

     一の谷の戦(いくさ)破れ 討たれし平家の公達あはれ
     暁(あかつき)寒き 須磨の嵐に 聞こえしはこれか 青葉の笛


いろいろな人が唄っているのやメロディだけのをネットで聴いたのですが
しみじみと胸に響いてくる哀調をおびた曲で、私も聞き知っている歌でした。
CDなど持っていないので、こういう時はインターネットが役立って、便利なものですね。

ちなみに、平敦盛と熊谷直実はそれぞれ花の名前にもなっている・・・・・
「アツモリソウ」「クマガイソウ」、平家物語に思いを馳せて名付けたのでしょうか。

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by suirenn2 | 2012-02-07 12:05 | Comments(6)