読み応えのある1冊でした。
友人が読んでいて話題にもなり、「面白そう」と思い読んでみる気になったのです。
与謝蕪村を主人公にした「恋しぐれ」に継いで葉室作品はこれで2冊目。
自分からはすすんで手にとる作者でもなかったので、話をきかなければ巡り合うことも
なかったかもしれない。そう思うとラッキーな出会いの本ではありました。
「乾山晩愁」、「永徳翔天」、「等伯慕影」、「雪信花匂」、「一蝶幻景」からなり、
尾形光琳、尾形乾山、狩野永徳、長谷川等伯、狩野探幽、久隅守景、英一蝶といった
錚々たる絵師が登場する物語です。
狩野永徳と長谷川等伯の確執、狩野派でありながら流派の画法に馴染まずいわば
「はみだし者」だったような久隅守景や英一蝶、狩野派総帥としての探幽の在りよう、
いずれもしみじみと胸に迫り、味わい深い物語でした。
関東甲信梅雨入りとか・・・・雨が降るとカメラ散歩もできません。
梅雨が明ければ夏、猛暑のなかを外歩きもできません。
そうなるとこれといった趣味もない私には読書が救いになります。
とはいっても、興味津々で読みたくなる本がいくらでもあるかといえば、そうでもない。
本選び、自分好みの本を選ぶのは意外に難しいものです。
幸いいまのところ読みたい本がすでに4冊ある。
ひと夏凌ぐには足らないかもしれませんが、当分は懐具合上々といったところです。
最近の写真・・・・