「上野の森美術館」で北斎の浮世絵をみてきました。
案内にある通り、初期から晩年にいたるまでの素晴らしい作品が並んでいました。
見覚えのある「冨嶽三十六景」などのほかに「花鳥画」や「百人一首うはかゑとき」という
作品があり、「ほ~、こういう絵も描いていたの」と新鮮な驚きでした。
「百人一首うはかゑとき」というのは、乳母が子どもに百人一首の歌の意味を教えるときに
わかりやすいようにと情景を絵で表したものです。
あっさりした構図の花鳥画にも見入ってしまいました。
「菊に虻」「桔梗にとんぼ」「紫陽花に燕」「牡丹に蝶」などの題名で、題名通り
他には何も描かれていなのですが、ユーモアさえ感じられる面白みのある作品でした。
たとえば、これ・・・・「朝顔に蛙」なのですが、いくら見ても蛙が見あたらないのです。
ちょうどまわりに居合わせた何人かの女性が「蛙はどこ?」と囁きあい、私もつられて
「どこでしょうね」と言いながらしばし「蛙探し」でした。
そのうちにどなたかが「あっ、いましたよ」「ほら、ここ」と指さして一件落着でした。
葉の中に隠れるような蛙、葉としか見えないトリックのようで、北斎の遊び心を感じました。
「冨嶽三十六景 武州玉川」、とても印象にのこったので絵葉書を買ってきました。
これは前にもアップしたことがありますが、うちにあるもの・・・・
大変な混雑・・・・というのでもないけれど、混んではいました。
上野ではいま「国宝展」も開かれています。
そちらへも回ろうかと思い、その心積もりでもいたのですが、やめました。
北斎だけでもう頭はパンパン、こういう状態で他の展覧会をみるのは好ましいことではない、
そう思ったからです。ぶらぶら散策するのもやめました。「蚊がこわい」、意気地なしです。