藤の花

田舎で過ごした小学生時代、一番の仲良しだった同級生が「藤子ちゃん」、
色白で目のぱっちりした美人さんでした。藤の咲いている頃に生まれたので
この名前になったとか・・・・隣り村のお大尽の娘さんでもありました。
大きなお屋敷に立派な家構えは村でも群を抜いて目立っていたでしょうか。

この藤子ちゃん、美空ひばりが好きで、映画が封切られると必ず街までみに行っていました。
昭和20年代の当時、田舎の子どもが街まで映画をみに行くなど大変なことだったのです。
それだけに映画の話、ストーリーをきかせてもらうのが何よりの楽しみでした。
そして、時々は主題歌のレコードもきかせてもらって、夢中になって覚えたものです。
いまでも私は美空ひばりの歌が好きですが、当時のことが原点になっているのかもしれません。

こうした藤子ちゃんの環境に較べて、我が家と私は、その正反対の状況でした。
家はトタン張りの小屋みたいなもので、暮らしも貧しかった・・・・・。
軍人だった父が終戦後やむなく身を寄せた父の郷里でしたが、戦災にもあわず、
いちおう食糧にも恵まれた当時の農村地帯では、半端な厄介者のような一家でした。
それでもひがんだりいじけたりすることなく過ごせたのは、学校生活が楽しく、
豊かな自然のなかを飛びまわり遊びまわっていたからでしょう。

ただ、小学4年生の秋に東京へ引っ越すことになったのですが・・・・・
その時に、「ここへは2度と帰らない」と思ったのをよく覚えています。
子ども心にもどこかに寂しさや哀しさをかかえていたのかもしれません。
藤の花にふと藤子ちゃんを思い浮かべながら、花の向こうに自分の原風景が透けてみえるようです。
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先日、散歩道で・・・・ライラックが咲いていました。
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近くの公園では曇り空にも関わらず大勢の人で賑わっていました。
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昨日、駒場東大で・・・・・白い花はまだ少し早かったようです。
ただ、次に駒場に行くのは5月の半ばなので、これが見納めになるでしょうか。
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by suirenn2 | 2014-04-23 11:41 | Comments(16)
Commented by semineo at 2014-04-23 22:58
こんばんは
藤の花で懐かしい藤子ちゃんとの思い出、素敵な物語ですね。
戦後は皆さん疎開していて、それなりの思い出があるのでしょうね。
私の実家にも二家族が疎開していたのを、ぼんやり覚えています。

あっという間に藤やライラックの季節、
東大のオーソニガラムも素敵ですね。

Commented by おせっちゃん at 2014-04-24 00:51 x
お宅も軍人のご家族でしたか。
苦しい時代を経験しましたね。
でもその時代を通過したことが今の私を作っているような気がします。
物悲しい思い出もありますが。
Commented by suirenn2 at 2014-04-24 10:10
semineoさん
おはようございます。
思い出にある農村地帯もいまではすっかり変わってしまいました。
高速道路が通り、工業団地ができて、昔の面影はまったくのこっていません。
豊かな自然が失われてしまったのが寂しいですね。

ほんと、あっという間に移り変わっていきますね。
東大のオーニソガラムはグランドの斜面、半分だけ咲き始めていました。

Commented by suirenn2 at 2014-04-24 10:24
おせっちゃん
両親は苦労したと思います。
あの時代の人達の苦労があって敗戦から立ち直ったのですよね。
いろいろあったことが今となってみればむしろ有り難い・・・
自分の人生にいくらかは膨らみができますものね。
膨らみというよりただの凸凹かもしれませんが・・・・・。
Commented by 松風 at 2014-04-24 11:17 x
おはようございます。
美しい藤の花にもその時代の思い出がおありだったのですね。
実家のお墓の前には見事な藤棚があって
その花の時期を待って母は逝きました。

戦中戦後は私はすいれんさんより少し年上でしたが
疎開先ではどなたも経験したのでしょうが
「非農家」という言葉に泣いたこともありましたね。
小学生ながら農家のお手伝いやら
地区では縄や莚作りの作業に駆り出されて
結構役立つ子供たちでした。
何よりそこを飛び出したいと考えていましたので
縁あって横浜へ出た時は他に例えようもない嬉しさでした。
ごめんなさい、つまらない私事でした。
Commented by KawazuKiyoshi at 2014-04-24 11:24
フジにまつわる思い出。
大事に心にしまっておくのですね。
私にも・・・
忘れました。
ははは
今日もスマイル
Commented by アメーバ at 2014-04-24 14:38 x
小説を読んでいるかのような素敵な、藤の花の想い出ですね~
そちらは、もう咲いているんですね!!
綺麗若紫の花たちが、たわわになるのは、数日後でしょうか・・・

東大の桜、まだまだ見事に咲いているのですね~
ほんとうにいいところにお教室があって、楽しみがいっぱいありますね。
白い花に狂喜して撮っていたころを懐かしく思い出してます。
Commented by tabigarasu-iso at 2014-04-24 16:18
こんにちは

藤の花の出番になりましたね。
その花の想い出、一気に読ませて貰いました。
二度と行きたくない故郷でも、藤の花を見ると想い出すのは、人である所為ですね。
取り急ぎ要件のみにて失礼します。
草々



Commented by Dai at 2014-04-24 22:30 x
わ~もうこんなに藤の花が咲いているのですか (@_@;)
テレビで 亀戸天神の藤の花がもうすぐ見頃だと言っていましたので 行ってみたいとは思っていたのですが 機会が無いかな~

東大のグラウンドの風景 時間があったらゆっくり回ってみたいところです。
次は 5月8日だわ~終わっているでしょうね。
野球部員の 威勢のいい声は聞かれませんでしたか~??(*^_^*)
若いっていいな^と思う一瞬ですね。
Commented by ブルーベリー at 2014-04-25 15:37 x
こんにちは~
藤の花に纏わる良い思いでですね。
こちらも今満開です。
私は戦争の事は全く知らず大連に住んでたらしく戦後引き上げてきたようでその引き上げ船の事をうっすら覚えている程度です。
ニュースで日本の家族と再会した話を聞くとよくぞ離れず連れて帰ってくれたと思う事がありますね。

ベツレヘムの星を実際に見たことがないので一度見たいと思いながらその機会に恵まれません。
Commented by suirenn2 at 2014-04-25 22:05
松風さん
こんばんは。
藤の花をみると何故かふっとお顔が浮かんでくるのですよ。
お花のイメージに相応しいきれいな子でした。
お花とともにお顔が浮かんでくるなんて、そういう人もいるのですね。

終戦後のまだ間もない時代、大変な時代だったのですね。
それでも子どもは楽しく遊びまわっていました。
いまみたいな「いじめ」とか「差別」もなかったですね。

松風さんは農家のお手伝いもなさったのですね。
過ぎてみればイヤなことは消えて、自然の風景などが
懐かしく浮かんできませんか?
Commented by suirenn2 at 2014-04-25 22:18
kawazukiyoshiさん
こんばんは。
過去を懐かしむのは年をとった証拠とか・・・・・
どうも私もその仲間入りをし始めたようです。
いくつになっても未来志向でいきたいですね。
Commented by suirenn2 at 2014-04-25 22:32
アメーバさん
こんばんは。
毎年同じように同じ花を追いかけている・・・・
近所でみる藤はたっぷりした房にはならないのですが・・・・
公園にはたいてい藤棚があるので見てまわっています。

東大のグランドはまだ白一色ではなくて残念でした。
今年はもう見るのは無理かな・・・・・
お花って、見頃のタイミングが難しいですよね。


Commented by suirenn2 at 2014-04-25 22:45
tabugarasu-isoさん
こんばんは。
4~5年過ごしただけの田舎でしたが、いまはすっかり変わり
もう私の記憶にある風景などどこにもありません。
こうなると記憶というのも貴重なものですね。
記憶にあった自然が失われて・・・・やはり寂しいです。
Commented by suirenn2 at 2014-04-25 23:03
Daiさん
こんばんは。
テレビ、私もみました、亀戸天神の藤、見事でしたね。
私も行ってみたいと思いながら行けずにいます。
散歩道の公園で、棚は立派なのだけれどお花はチョッピリ、
健気に咲いているのもこれはこれでいいものです。

駒場は私も次はもう5月半ば、白い花は終わっているでしょうね。
毎年見られそうで、それがそうでもないんですよね。
お花との出会いのタイミングって、あんがい難しいです。
毎日のように散歩していてもそう思うことが多々ありますね。
Commented by suirenn2 at 2014-04-25 23:27
ブルーベリーさん
こんばんは。
えっ、大連からの引揚げ、そうっだのですか。
引き揚げでは大人の人達はどんなにかご苦労なさったのでしょうね。

田舎で育ったので花や木には思い出が多いですね。
子ども時代に田舎で過ごせたことはよかった・・・・・と、
今になってみれば心の糧のようにも思えてきます。

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