漢 詩

昨日の読売新聞夕刊、中国文学者井波律子さんの「季節めぐって」の文章の中に
懐かしい七言絶句をみつけて、思わず声に出して読んでしまいました。
題名や作者など忘れていましたが、唐の詩人張継の「楓橋夜泊」という作品なのですね。

      月落ち烏啼いて 霜 天に満つ
      江楓 漁火 愁眠に対す
      姑蘇城外 寒山寺
      夜半の鐘声 客船に到る
  

「月は沈み、カラスが鳴き、霜の気配が空一面に満ちわたる。紅葉した川辺の楓、
あかあかと輝くいさり火が、旅の愁いで眠れない私の前に浮かびあがってくる。
姑蘇(蘇州)の郊外、寒山寺で、夜半につき鳴らす鐘の音が、この旅の船のなかまで
聞こえてくる」、 井波さんの訳文もまた情感豊かに胸に響いてきます。 

学生時代、古典の時間に暗誦したというか、させられたというか、覚えたのですよね。 
「姑蘇城外 寒山寺って、どんなところ?」、中国の地理など殆ど知らなかっただけに
響きのよさに誘われて想像をひろげたものでした。
後年、中国を旅して寒山寺を訪れた時には、もう「寒山寺」というだけで感激しました。

もうひとつ、白楽天の「酔中 紅葉に対す」という五言絶句も載っていました。

      風に臨む 杪秋の樹
      酒に対す 長年の人
      酔貌は霜葉の如く
      紅なりと雖も 是れ春ならず


「風に枝葉を揺れ動かす晩秋の木、(それを眺めながら)酒に向き合う老人たる私。
私の酔った顔は霜をへた紅葉のようだが、紅いとはいえ人生の春たる若い日の紅顔ではない」

「人生の秋にさしかかったわが身をふと顧みる、ほろ苦いユーモアが印象的な作品である」と井波さんは書いていらっしゃいますが、本当に、しみじみとそう思いますね。

漢詩って、いいですね~。
もっと真面目に勉強しておけばよかった・・・・・。
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by suirenn2 | 2012-10-02 10:49 | Comments(4)
Commented by semineo at 2012-10-02 22:42
こんばんは
台風は何事もなく過ぎ去ってよかったですね。
それにしても急に秋の深まりを感じます。

楓橋夜泊は有名ですね、教科書に載っていた事を思い出しました。
漢詩は苦手でしたが、詩には行った事もない中国の情景が
浮かんでくるので不思議です。

↓土曜ドラマ、私も観ています。
録画しておいたのを見る事が多いですが、
私も、けっこう見てるじゃん!と言われそうです。
Commented by suirenn2 at 2012-10-03 11:00
semineoさん
台風、また次のか来てますね。
海の方を過ぎてくれるといいですが・・・・。

漢詩、嫌いではなかったのですが、読むのは苦手でした。
返り点とかあって難しかったですよね。
でも、スケール感や簡潔な感じが「いいな~」と思うようになりました。

そうそう、ベンチアート、見てきましたよ。
丸善のカフェにも寄ろうと思いながら忘れて、
気がついた時はもう電車の中でした。

Commented by 松風 at 2012-10-03 11:46 x
なにせ、60年の前のこと、
おまけに漢文は大嫌いな授業でしたから
「楓橋夜泊」は聞き覚えがある程度のことです。
ということで↓の記事へ、

京急脱線事故の時、
知り合いの息子さんが事故車両に乗り合わせたそうです。
かすり傷もなく無事でしたが、
死ぬかもしれないという恐怖感で、今でも足が震えてくる。
同じ車両の中で重傷者も出たとか、運命を感じると云っていました。

騒がしい世に中でも花は季節を堪能させてくれますね。
舌をかみそうな名前のシロミノコムラサキ、初めてです。
Commented by suirenn2 at 2012-10-04 08:48
松風さん
おはようございます。
ま~、息子さんの知り合いの方が事故車両に・・・・・・
無事で何よりでした、どんなにか怖かったでしょうね。

豪雨による土砂崩れも年々増えているような・・・・?
自然界の許容以上の「雨」になっているのでしょうね。

松風さん、漢詩はお好きかと思いましたがね。
簡潔な表現やリズム感に心地良さを感じます。
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