青葉の笛

「祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響あり。沙羅雙樹の花の色、盛者必滅のことはりをあらはす」
「平家物語」のこの冒頭の文章に初めて接したのは、中学に入って間もない頃だったでしょうか。
学校の図書室で何気なく手にとってぱらぱらっと眺めた古典の本でした。

「あ~、京都の祇園の方でお寺の鐘が鳴っているのか・・・・」
京都へはまだ行ったこともなかったけれど、そんな光景が頭に浮かんだものでした。
それだけに後になって、「祇園精舎」が何であるかの意味がわかったときには、
誰が見ているわかでもないけれど、顔から火が出るほど恥かしい思いをしたのを覚えています。
こんなことがあって「平家物語」は私には思い入れのある古典になりました。

その「平家物語」を本箱から取り出してきて最近また適当に読んでいます。
全編などとても読む気にはなれないので、好きな場面だけの拾い読み・・・・・
好きな場面はいくつもありますが、一番のお気に入りは「敦盛最期」の場面になるでしょうか。
「平敦盛」が源氏の武将「熊谷次郎直実」によって討ちとられる場面です。
討ちとろうとして刀を振り上げたものの、あまりの美しさ、しかも自分の子どもと同じ年頃と
思える若武者で、直実は刀を振りおろすことができない・・・・・。

結局、討たれてはしまうのですが、亡骸から笛をみつける。
「あ~、可哀想に、夜明けに聞こえていたのはこの人が吹く笛の音だったのか」と直実は涙・・・
この時、敦盛が持っていた笛は、元々は祖父が「鳥羽院」から給わったもので、
敦盛が笛の名手なので相伝された「小枝の笛」という由緒ある笛だった・・・・・

多分「敦盛最期」のこの場面は昔から名場面として読み継がれたのでしょう。
「青葉の笛」という歌にもなって、尋常小学校の唱歌にもなっていたようです。

     一の谷の戦(いくさ)破れ 討たれし平家の公達あはれ
     暁(あかつき)寒き 須磨の嵐に 聞こえしはこれか 青葉の笛


いろいろな人が唄っているのやメロディだけのをネットで聴いたのですが
しみじみと胸に響いてくる哀調をおびた曲で、私も聞き知っている歌でした。
CDなど持っていないので、こういう時はインターネットが役立って、便利なものですね。

ちなみに、平敦盛と熊谷直実はそれぞれ花の名前にもなっている・・・・・
「アツモリソウ」「クマガイソウ」、平家物語に思いを馳せて名付けたのでしょうか。

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by suirenn2 | 2012-02-07 12:05 | Comments(6)
Commented by はっちゃん at 2012-02-07 18:52 x
今年も大河ドラマ見ていらっしゃいますか?
すいれんさんは、常にTVを見るだけでなく、関連のお勉強をして、しっかりと教養を身に付けられますね。
素晴らしいことと、感心します。
見習いたいけど、真似できません(;一_一)

<「青葉の笛」という歌にもなって、尋常小学校の唱歌にもなっていたようです。>
私は尋常小学校ではないのですが、この歌のメロディーはしっかり覚えています???
誰からきいていたのかしら?
ほんとうに、切々とした哀調を帯びた曲ですね。

アツモリソウもクマガイソウも山野草愛好家のあこがれの花ですね(^_-)-☆
クマガイソウ、アツモリソウの名は、膨らんだ形の唇弁を昔の武士が背中に背負った母衣(ほろ)に見立て、がっしりした方を熊谷直実に、優しげな姿の方を平敦盛にあてた、とのことです。
Commented by はらっぱ at 2012-02-07 22:35 x
すいれんさんのものの見方にいつも感心しています
何事にも探究心を持ち続けてらして素晴らしい
私に一番欠けていることなんです
Commented by suirenn2 at 2012-02-08 09:09
はっちゃん
おはようございます。
大河ドラマ見てますよ~、でも、人間関係がさっぱりつかめなくて・・・
それに、この時代の権力闘争の構図って、かなり複雑ですね。

「青葉の笛」、この歌、私もよ~く知ってます。
勿論尋常小学校ではないですよ~、学校で教わった記憶もないし、
何となく聴いていたのでしょうかね?

クマガイソウやアツモリソウは似たようなお花ですね。
母衣に見立てて・・・・そうなのですね。
武士の出立というか装いから細かいところをよ~く見分けて、
それぞれに名付けられているのですね。
名前ひとつでも奥の深さを感じますね。
Commented by suirenn2 at 2012-02-08 09:32
はらっぱさん
おはようございます。
探究心というより野次馬的な好奇心でしょうかね。
幸いに時間はたっぷりあるし、暇つぶしにはちょうどいい・・・・・
何でも面白がる性格も私の場合は「お得」になっているかもしれません。
面白がる暮らし方も年を重ねるとともに大事ですよね?
Commented by アメーバ at 2012-02-09 10:03 x
さすが、すいれんさん!!
竜馬から敦盛ですね。
何やら、平家物語ツアーを計画なさっているとの噂を耳にしましたよ~
それこそ五感で体験できますね。
小石川で、お目にかかれるのかしら?
Commented by suirenn2 at 2012-02-10 09:03
アメーバさん
おはようございます。
龍馬さんは永遠の憧れなんですけどね・・・・
ドラマが終わってしまって話題性に欠ける?
「火曜悠々」では今年は「清盛」がテーマなんですよ。
PCを媒体にしていろいろアプローチしてみようと・・・・・
例えば調べたものをEvernoteにメモしたり・・・・と
そんなふうに使いながらの学習というわけですね。

小石川、行きま~す!楽しみで~す!ヨロシク!
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