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龍馬の和歌(うた) 続き・・・・・

今日も龍馬の歌です。

又あふと思ふ心をしるべにて 道なき世にも出づる旅かな

これもよく知られている一首でしょうか。
伏見から江戸へ旅立つ時に詠まれたもので、年代的にはお龍に出会って間もない頃・・・・
そう解釈している文献もあります。
「また逢う」という想いを心の拠りどころに、先の見えない世に旅立って行く・・・・・
心を残しながらの切なさと、揺れ動く不安感のようなものも伝わってきます。

きゑやらぬ思いのさらにうち川の 川瀬にすだく蛍のみかは

ま~、どうしましょう、ドキドキしちゃう!
私がもらった恋歌でもないのに・・・・・・・・。
宇治川のほとりに美しく乱れ飛ぶ蛍、夜通し消えることもないようなその蛍火は、
でも、蛍だけではない、わたしの胸の火もそうですよ・・・・・・・・熱々の恋心ですね。
ただ、蛍に例えられているので繊細で抑えもきいて、露骨というか想いが剥き出しに
なっていないのがいいですね。

一方、亡くなった志士達を偲んでの歌という解釈もあることも付け加えておきます。

うき事を独(ひとり)明しの旅枕 磯うつ浪もあわれとぞ聞く

明石にいた頃詠まれたようで、歌の技法的には「明石=明し」が掛け言葉になっている?
憂き事・・・・・・夜も眠れないほどの憂鬱なことがいろいろあったのでしょう。
中々寝付かれずに旅の宿で波音を聞きながら悶々としている様子が浮かんできます。
龍馬といえばイビキでもかいて豪快に眠りこけてるイメージもありますが、
こういう一面もあったのですね。

春くれて五月まつ間のほととぎす 初音をしのべ深山べの里

ホトトギスに自分を重ねているのでしょう。
「春くれて五月まつ間」・・・・・・幕藩体制から新しい時代へ、けれども、「深山べの里」、
まだ世も中は深い山里のようなもの、だから、「初音をしのべ」・・・・・言いたい思いもこらえなさいと自分に言い聞かせているようです。



みじか夜をあかずも啼きてあかしつる 心かたるなやまほととぎす

私の一番好きな歌です。やはり、ホトトギスに自分を託しての心象風景でしょう。
恋歌と解釈されているのもありますが、短い夜を飽きず鳴いているホトトギスを恋愛沙汰に結びつけるのは何だかいやらしい。
それよりもむしろ「船中八策」から「大政奉還」へ到る龍馬の複雑な心境、話しても簡単には理解されないもどかしさのようなものがあったでしょうから、そのあたりの気持ちを詠ったのではないでしょうか。
空しさというか寂しさというか、孤独な思いがひしひしと伝わってくるようです。
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10月、いよいよ秋本番でしょうか。
どうやら私には「読書の秋」になりそう・・・・・・
龍馬に関する本をみつけては片っぱしから読んでいます。
出かけて写真も撮りたいし、時間がいくらあっても足りないような・・・・・・
でも、こんなに充実して過ごせるのはありがたいことです。

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by suirenn2 | 2010-10-02 10:20


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